当店でお誂えされたお客様にお話しをお伺いさせて頂きました。お客様の用途は様々で、お好みもそれぞれ異なります。静かな色合いを好む方から、おしゃれで目立つ装いが似合う方まで、ひとりひとりの個性も違います。それぞれのお客様の事例をご紹介させて頂きます。
男着物.comのHPをご覧になった高木様は、メールでご予約頂いた後、ご夫妻でご来店されました。おじいさんの着物や、お持ちの反物が活かせるのかどうかを、見て欲しいとのことでした。
やがて、コーディネイトされた着物姿は、とても着物初めてには思えない素敵なものになりました。着物デビューされた高木様に、お話しを詳しくお伺いさせて頂きました。
上の写真は、お持ちの反物を羽織にし、それに合う着物や帯などをお選びさせて頂きました。
目次 |
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1、男着物.comと高木様が出逢うまで 2、タンスの中に眠っている反物が甦るまで 3、はじめて着物を着て外出したときのこと 4、帯結びを初めて覚えて感じたこと 5、100年前の大島紬が甦りました 6、最後に、お店選びについて 7、男着物入門の方へひとことメッセージ |
― 今日はどうぞよろしくお願い申し上げます。まずは、高木心様について教えて下さいませ。
(高木様)私は、神奈川県座間市で、会社を経営しております。
着物は、もう30年も前から興味があったのですが、なかなか踏み出せないままでいました。ところが、今年になり、おじいさんの着物や、自分が着られそうな反物もタンスの中で見つけたので、それをきっかけとして、男着物.comの店主さんに相談し、着物デビューすることが出来ました。
(店主:橘川)私からも高木さんをご紹介させて頂きます。
木様ご夫妻でご来店されましたが、とてもおしゃれな印象で、おじいさまが着ていらっしゃったという大島の着物と薄グレーの反物をお持ちでどちらも活かすことができるかというご相談内容でした。着物への情熱がとても伝わってきて、お話を聞いていても楽しみにされている様子がよく伝わってきました。
― 木様が着物と出逢うまでについて教えて下さい。
(高木様)私は、もう30年近く前から着物はいいものだなと憧れていたんです。そうとう昔から着物が好きで興味があったんですね。ただし、20代の若いうちは自分が若すぎてあまり着物が似合わないのではないかと思ったり、高すぎて自分には買えないぐらいするのかと想像していたりして、”いいな”と思いながらもずっと踏み込めないでいました。
お正月になると、着物姿を見かけたりして、その着物姿を見ても、”いいな”という状態のまま続いていたのです。
― その後どのようにして男着物.comとご縁ができたのでしょうか。もう少し詳しく教えてください。
(高木様)ホームページで着物の情報が見られるようになってからは、男の着物の情報が増えてきて、男着物を扱っている、色々なホームページを見ていたのです。
とにかく着物の世界は本当にわからないことが多すぎて、奥が深いんですね。
そのうち、男着物.comのホームページを見つけて、武者袴がいいなと思ったのですが、これは袴用に裾が短い着物を着るんだろうかとか、値段は全部でどのくらいするものだろうかとか、とにかくわからないことだらけだったのです。今、橘川さんにお世話になっているから言うわけではないですが、男着物.comのホームページが他のどのホームページよりも一番かっこいいと思いました。 それに、商品などの情報量も一番多いですしね。
そこで、ここのお店に頼めば相談に載ってもらえるだろうなと思ったのです。
― お持ちの反物が甦るまでついて、教えてもらえますか?
(高木様)実家のたんすの中に、祖父の大島の着物と反物があって、これは自分の着物として生かせるのではないかと思い相談にのって頂きました。反物は、着物にする予定だったのですが、店主さんに相談したらこの色は羽織のほうが向きますよ。とのことで、羽織を仕立てることにして、それに合う着物や帯、小物などを選んでもらいました。― 組み合わせた着物などはいかがでしたか?
(高木様)とても気に入りましたね。私はグリーンと茶色が好きなんですね。初めて着物を着て外出したときも、どこへ行っても、この着物について皆から聞かれました。とにかく凄い反響でしたね。
― 初めて着物を着て外出した時などは如何でしたか?
(高木様)いや〜、とにかく、いろんな方に着物のことを聞かれるのね。これは、会う人、会う人、もう100%です。
「え、どうしたの?」とか、
「いや〜、いいですね〜」とか、
「カッコいい」とか、
「何かあるんですか?」とか、
私を見る人の顔の表情が、また面白いんですね。
「おっ・おぉ〜 〜 !」という感じなんです。
それにはびっくりしました。
ー それは、高木様がおしゃれで素敵だからじゃないですか?
(高木様)いや、だけどね、どんなにいいスーツを着ていても、まずこんなことありませんね。どれだけ高級なスーツをきていても、その服装を見て、「格好いいとか言われないですよ・・」これは、着物効果っていうのがありますね。
この着物の印象力は、ビジネスでも使えるんじゃないですかね。
― その他、着物姿になって感じられたことは。
(高木様) 着物を着て、私と会う方の表情や顔を見ていると、面白いなって思いますね。たかが、着物を着ているだけじゃないですか。
「何かあるんですか?」と聞かれたときも
「いや、別に、今は着物の気分だから・・」
「日本人だから・・・」とか答えるんです。
着物を気軽に着られるようになれば、もっと広まると思いますよ。
ー 着物で外出したときのエピソードなどはありましたか?
いきつけのメガネ屋さんの店長が、私の着物姿を見て「どうしたんですか??」とびっくりした顔で言うんです。
それから、その店長は「いやぁ〜いいっすね〜」と言ってから、しばらくしてまた「いいっすね〜」を連発するんです。
そのうち私も着物が欲しいっていうんです。それは熱心に…。
「着物っていくらくらいするんですか? 40万も50万もするんですか?」って聞くんです。
「そんなにしませんよ。」と言って、男着物.comのホームページをご紹介しておきましたけどね。今にでも欲しそうでしたね。
ー その他には初めて着物を着た感じなどは、如何でしたか?
意外と楽だなと思いました。あと、歩いているときなど、着物の身頃がさらっと上前がまくれるでしょ。あれがいいですね。どこか風情があって・・
―高木さんの着物の夢を聞かせてください。
(高木様)着物を着て、京都行きたいなって思いますね。先日家内の前で、この着物をきて京都へ行ってみたいと言ったのです。一緒に京都へ行こうかといったら、「じゃ、私はどういう格好をしたらいいの?」って言われまして、それで、今度は、家内の着物もお願いできればと思っています。
たちばなやさんは、元々、女性の着物が専門でいらっしゃったので、いろいろとご相談に乗ってもらえばと思います。
家内は、私が初めて着物姿になったら、最初は笑ってましたね。でも、「なかなかカッコいいじゃない。」って言ってくれましたから、夫婦で京都旅行などいけたらいいなと考えています。
― 着付や帯結びは、覚えられましたか?
(高木様)納品の時に着付け講習で帯結びや着付け着物の畳みかたなどを教えてもらいましたので、大体は覚えられました。
その後、こちらで帯結びや着付けを教わってからは、角帯の結び方などが載っている、無料の着付けの動画も殆ど見たんですよ。それで、比べてみて分かったことは、橘川さんに教えてもらった方法が一番分かりやすいです。
帯を結んだカタチなど、結果は同じなんですけどね。その過程が重要でしょ。
結び目の途中がどうなってんのかなって。他の方が情報発信している無料動画を見ても、最初はどうやって結ぶかわからないんですよね。
でも、店主さんの帯結びの方法は一番理解しやすいです。こちらのホームページの帯結びの動画を見ても分りますが、右手で帯を持つ方法や、帯を一周して回すときに、手首を回転させるところなど細かく具体的に教えてもらえたのでよかったと思っています。
ー 高木様が、仕立直しされて大島紬のことをもう少し詳しく教えて下さい
(高木様)これは、妻のおじいさんの着物と羽織なんです。100年も前の着物なんです。
義理の母が、何百年前の桐ダンスの中に入っていた大島紬を見つけて、私に着てみたらどうかと言うのです。「お前が着なければ、もう処分するしかないよ」と言われ頂いてきました。
(高木様)祖父は、いつも着物でいたと言います。家内もその着物姿をよく覚えていると言うのです。
確かに、これを活かせればいいなと思い、たちばなやさんに相談しました。
― おじいさまの着物のご相談されてどのようになりましたか?
(高木様)最初、たちばなやさんへ持っていったときには、着物だけではなく、袴もあったので、とにかく分からないので相談にのっていただきました。
最初は、この着物がそのまま着られるものだとばかり思っていましたが、着てみると、丈も短いし、腕の長さも少し短いようで、このままでは着られないと思い、専門家に相談した方がいいと考え、たちばなやさんにお願いすることにしました。
店主さんからは、あまり古い着物だと弱地で破れることがあったり、身丈がどうしても足りなくて、着物にならない場合があると聞きましたが、検査してもらった結果、生地も丈夫で仕立直しをして、自分の体のサイズに合せてもらい、甦りました。
家内からもおじいちゃんの着物が甦り、非常に喜ばれました。
― 大島紬のコーディネートについて教えてください。
(高木様)帯は、両面使える柄でしたから、羽織に合せて新しく新調した結城紬にはからし系の色を使って、こちらの大島紬にはグリーン色を合せてもらいました。それから、羽織の裏も、祖父が使っていたものを活かせました。羽織の紐は、とんぼ玉と天然石とビーズで組み合わせたもので、男着物.comオリジナル商品だそうです。(木様の感想:)
― 他の呉服店はご覧になったのでしょうか?
(高木様)最初は、呉服屋さんで男の反物が飾ってあったので、聞いたことがあるのですが、恐らくは、男性のお客様が殆どいらっしゃらないんじゃないでしょうかね。聞いても、ちゃんとした答えが得られないのです。それで、ここのお店は、店員さんに知識がないなと思ったのです。
― そのとき、どう思われたのでしょうか?
やはり、相談できるお店って必要ですね。わからない事ですからね。例えば、信頼できる人に聞かないと間違えたことを伝えられたとしても、そのままそういうものだと理解して受け取ってしまいますしね。
その点、こちらの店でしたら、安心してお願いできます。
相談できる店でよかったと思っています。
店主さんも知識豊富だし、男の着物専門店って貴重ですよね。そうそうありませんからね。
何より、私は家から近いっていうのも魅力でしたね。
― たちばなやのお店の第一印象はいかがですか?
こんな近いところに、こんな店があるんだっていう感じでびっくりでしたね。
店内に入ったら、まあだいたいホームページで見て予想していたような感じでしたよ。男の着物で何でも相談できるのは安心できますね。
― 店主の印象はいかがですか?
第一印象は、ズバリ『着物のプロ』だと思いました。
例えて言えば、着物の初心者を幼稚園の生徒とすれば、
先生に対して、どんな質問をしても、分りやすく丁寧にそして熱心に答えてくれるところなんかは、ホントプロだなと思いました。
その道に携わっている人は、たくさんの知識を持っているでしょうが、その人にとって分かりきっているってことはありますよね。ですから、簡単な質問などに関しては、人によっては嫌がる人もいられますよね。でも店主さんは、そういうことがないんです。
どんな事も、こんなこと聞いても良いのかなっていうことも、商売にならないような事でも、分りやすく説明してくれてました。だから安心して相談できるってことはありますね。それに『着物の知識を知らないと、買っちゃいけない』なんていう雰囲気がまったくなかったのがよかったです。
だからこそ、来店した後も着物にますます興味が沸いてきたってことはありますね。
ー 着物をこれから着てみたいという男性に向けて何かお伝えしたいことなどありますでしょうか?
(高木様) 着物をこれから着たい男性がいれば、たちばなやさんを是非紹介したいですね。
着物が分らない方は、分るように教えてくれる人や、信頼できる人に聞いた方が間違いないですしね。
それから、一般の方や、多くの男性が、男の着物に対して持っているイメージは、買ったとしても着ないかも知れないという心配や、それに高いというイメージは絶対あると思います。
着る機会がないなと思っていたとすると、自分で着る機会をつくればいいんじゃないですかね。
自分で着る機会を積極的に作らないと、着物を着るチャンスというのが、なかなか舞い降りてきませんよね。あと着物がとても高価だと思っている方は、多いと思いますが、確かにいいものは高価ですが、
実際には、化繊の素材を使えば、3万前後で着物や羽織が出来ますし、10万前後もあれば反物から仕立しても、羽織を入れてひと揃え出来ますからね。
男の着物は、これからもっと増えていくといいですね。
(高木様)私はたちばなやさんにお願いして、本当によかったと思っています。
これからもお世話になります。どうぞよろしくお願い致します。