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2) お母様と兼用の袋帯

こだわりの振袖を探すにはこんな方法が…

>>3)へ

「訪問着になる振袖を探していた B様の場合」

あれは、ある夏の日の午後でした。

市内近郊のお客様で、翌年に成人式を迎えるお母様とお話ししていたときでした。
日舞を長年習っている上品なお母様は、着物のしみぬきを数枚納品した時に、私にこのように質問されたのでした。

(A様)「ところで、たちばなやさんでは、振袖は扱っていられますか?」
(私)「もちろん、扱っておりますよ」

(A様)「実は、大きな振袖専門店に何度か行って探してはいるけど、なかなか気に入ったものが
     ないのです」
    「もうずいぶんあちこち、お店を見て歩いているのですが・・・」

(私)「それは、どうしてですか?」

(A様)「実は私の探しているのはピンクの地色の振袖で袖の柄を後から切ってきちんとした訪問着になるものを探しているのです・・・」

知り合ったばかりのB様は着物に詳しく、お話をよく聞けば聞くだけ、ご自分のこだわりを強く感じました。そしてお嬢様のお振袖選びにとても夢を持って熱心に探していられる事が伺えました。

(私)「訪問着になる振袖は、柄行きが意外と中途半端で、大きい柄が多いんですよね」
(A様)「私がイメージしているのは、袖を切っても、ちゃんとした訪問着になるのがいいんですよ」
(私)「なるほど、確かにそれはありそうでないかもしれませんね〜」

(A様)「訪問着になる振袖は、何枚かみたんですけど、私がいいと思っているピンク系の地色がないんですよ。たちばなやさんでは、見つかりそうですか」

(私)「はい、できる限りご意向に沿うようにさせて頂きます。きものは訪問着になるシリーズが今、出ているので大丈夫ですよ。それは気にいった物が、ご案内できると思います。」

(B様)「それだけではなくて、帯は黒地で娘と私で兼用に使えるものがいいんですよ・・・。予算的にはあまり高額にならないようにできますか?」

着物に詳しい、お母様は、振袖に合わせる袋帯も細かい柄にすれば、ご自身も着物を着るときに兼用できる可能性がある事に気が付き、そのアイディアを実現させようと、私に相談されたのでした。

(私)「振袖の帯が、お母様と兼用ということで、ある程度細かい柄でないとお母様が締められませんが、できるだけご用意させて頂きます。」

とは言うものの、実際に、お母様と兼用の振袖帯は、どんな柄でもいいというものではありません。柄自体もかなり限定されますし、勿論、ご予算の範囲に収めないといけません。
さらに、お目の高いB様が、これならという柄でないと、安心してお勧めできません。
それから、1週間後、問屋さんに見に行って揃えた袋帯と、訪問着になる振袖を持って、B様宅をご訪問しました。こんな感じでコーディネート1回目を迎えました。
さて、とても楽しみにしていた様子が伺える、B様親子の前で、振袖をすっと広げたその瞬間でした。

(A様)「いいですね〜。この振袖ならぴったりですね。今迄ずいぶん探していたけど、私の求めていたのはちょうどこれなんです!」

振袖の着姿を鏡で見る前に、やや興奮した様子で、笑顔一杯のB様、親子がいられました。

「でも帯の柄がもう少し細かいものはないの?」
「持ってきて頂いたこの柄もいいけど、もっと細かい柄でもいいのよね」
「地色は黒地でね。できれば親子兼用で締めれるものを探しているんです」

私が思っている以上にかなりお目の高いA様、着物はとても気に入っていただき、笑顔が見られて安心しましたが、ご期待に沿えるよう黒地の帯を次回お持ちしますとお約束しました。

振袖に締めれられて、なおかつお母さまも同じように兼用として締めれる帯は、そうそうあるものではありません。
お母様に合わせると柄が小さくなり、振袖帯のボリュームがなくなり、振袖に合わせると、柄がどうしてもはっきりしてしまうのです。

でも、探し方はあるのです。

通常、難易度の高いコーディネートは問屋さんにもそれに相応しい帯など、置いていないケースもあります。すると、各メーカーや西陣などの織元に依頼をします。そこで予算を指定して、より相応しいタイプの帯の柄を探してもらったりします。

お客様には「これなら間違いない!」と少しでもご満足頂きたいので、織元から探すこともよくあるのです。
問屋さんの元ですから、もっといろんなタイプがもっと数多く存在します。すると、通常にないものがその人にとって少しでも多く探せるわけです。しかも、お客さまは一切リスクもおいませんし、私も気にいって頂けないものはご購入して欲しくないので、お時間だけ、少し頂きます。

さて、5日後の事です。探してみたら、ありましたよ。近いものが・・

こんな感じでコーディネイト2回目を迎えました。

(A様)「この帯はいいですねぇ〜。着物とあいますねぇ。う〜ん、でもどうしようかな・・・」

と、殆ど、お好みに近いものですが、でも、いまひとつ、何かが足りないという表情が、B様から感じられました。お嬢様は、帯のことまでは分かりませんのでお母様にお任せです。

「でも、もっと私の好みに合うものがあると思うのよね〜」

ご予算に合う黒地の帯、素敵な柄ばかり10本以上揃えて、気にいっては頂けたのですが、それでも、ご予算の範囲でとなると限定されます。

お話を聞くと1本はお好みの柄があってその作風ならお気に召すことが判明。という事は、ここの織元の作風ならば、もっと気にいる柄があるに違いないとさらに柄を追求して探していきます。

条件が厳しいとたま〜にこのように時間を頂くケースもあります。

でも、妥協せず、柄行きを追及すると、お客様の喜びがあるので共に相談してコーディネートしていきます。

なんとコーディネート3回目(珍しいです)。

(私)「A様、ぴったりのものが2本だけありましたよ。これならいいですよ」

(A様)「あ〜〜ホントだ! この帯ならどちらも合いますね。私も娘も使えるしね。よかったぁ。ではこちらにします。帯締めはこれ、帯揚げはこの色で」

もう、ほんの数分の出来事でした。わずか一瞬ご覧になった位で、即決でした。
お嬢様にもとても喜んで頂き、帯から小物のコーディネートまで全て決まって大喜びされました。
こうして、とても気に入った振袖が手に入ったキーポイントは3つあります。

@ ご自分の求めているイメージがまとまっていたため、一番似合う振袖を選べた。
A 通常ならば、帯のコーディネートなどで1回で決まらないと他の店で探す方も多いのに、あちこちの店をまわらないで当店を信頼していただいたので、私もお客様の信頼に応えるよう、仕入先からメーカーと予算指定してかなりの時間と手間をかけて探すことができたこと。こだわりの強い方はこんな風に探した方が、いいものが予算通り入手できるものと思います。
B 上記でわかるように「当店をどこまでも信頼していただけたこと」これにつきます。私とA様の信頼関係があって、文の内容のように条件がはっきりしていたにもかかわらず、やっと商品を見つけ出せたことの喜びは、私もA様もお金に変えることのできない喜びです。

お客様からよく聞くお話の内容を、正直にお伝えします。
「実はあまり気にいらなかったけど、どうしても他になくてこの振袖にしたのです」
「結局、コーディネートしてみたら、ものすごい高価なものになってしまって・・」
「娘もとても気にいってしまって、店員さんも熱心に勧めるので、もう断れなくて・・」
と、こんな声が実はとても多いのです。

全国、各地に振袖専門店がたくさんありながら、「他でなかなか気にいるのがない」と当店で依頼を頂き、意外に簡単に決まるケースもあります。それは、当店が、お客様のお好みを優先して、それに合うものをどこまでも追及していきたいという考えがあるからだと思います。

ご自分に望んでいるものを、お店の方が提案するのは当然のことなのですが、振袖専門店や、大量に「この中から選んで欲しい」という願いが多くあると思います。

ですから、依頼されて、案外簡単に決まるケースもあります。それは、例えば「紺色の振袖だけ探してどこのお店にも紺はあるけど、その中で気にいったものがない」など…

この場合には、お好みの柄の傾向の紺色の振袖ばかりたくさん集めたらいいんですね。
このように探すと、お好みに近づいていくんです。大型店は、在庫もたくさんありますから、こまかな対応ができにくい面もあると聞きます。

「売上げが目的だから、少し迷っているものも購入の説得にかかります」そんな事もお客様から聞きますが、私はそれが嫌なのです。
商品よりも、お店の信頼関係で選ぶのが、振袖選びの間違いない方法と思います。

もし、ご相談できるお店がなければ、どうぞ無料相談会にお申込み下さいませ。

当店は地域密着型の専門店なので後々までもお客様とおつきあいする事が多く、その時限りではありません。できるだけお役に立てれるよう親身になってご相談申し上げます。

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