top振袖プラン各種お客様の声振袖作成例店舗情報無料見積もり・問い合わせ
サイトマップ お分かりにならない点は、どうぞお問合せ下さいませ。 店主の振袖お見立て体験記

6) 蘇った総絞りの振袖

お母様の振袖が蘇ると、ご家族も大喜び!そのコツは?

>>7)へ

ときどきお伺いする、神奈川県のCさんからお電話がありました。
「実はうちの孫が、来年成人式を迎えることになって、娘が持っていた振袖を着てみたら、ちょうど柄が似合いそうなので、ちょっと見てもらえますでしょうか?」

そういって、早速Cさん宅へお伺いしました。

「ご無沙汰しております。その節はお世話になり、ありがとうございます。もうお孫さんが成人式なのですね。おめでとうございます。」

「そうなんですよ。早いものでねぇ。最初は着物にあまり関心がなかったんだけど、娘のだいぶ前の振袖を着せてみたら意外と似合っている感じだから、それでもいいかな〜って感じなんですよ。 娘といっても母親だから、もういい年なんですけどね。」

そのように聞きながら、着物を見せてもらいました。

オレンジ色の創総しぼりの振袖は柄がない分、むしろ今でも十分通用するものでした。

ところが、全体を見てみると、所々シミがあったり、何度か着用されていたので、汚れもありました。
お嬢さんのほうが身長が大きいので、裄も身丈も短いということなので、シミぬきをして、洗張をすることを提案しました。

お孫さんの振袖が、二代に渡って着られることを知り、とても喜ばれました。

「しみ抜きも、古いしみだから、普通では直らないのですが、部分的に調整して上手な職人がいるから、大丈夫だと思いますよ。ただし、お時間は仕立まで入れると3ヶ月以上かかりますから、余裕を見てもらったほうがいいですね。」

そういって、着物と長襦袢もお預かりしてきました。

洗張というのは、着物を解いて一反にして、水に入れてブラシで洗うことです。そうすると、絹本来の色艶が蘇り、新品のようになるのです。 仕立もしますから、寸法も新しくすることができます。

さて、それから3ヵ月後、仕立てあがった着物をもって、Cさん宅を訪れました。
今度は、お母さんとお嬢様、おばあちゃんも親子三代勢ぞろいで迎えてくれました。

「いかがですか? きれいに出来上がってきましたよ。創始彫りのいいものなので、水に入れて洗張をするのではなくて、絞りの山が飛ばないように、キハツで洗って、寸法ぴったりになりましたよ。これから、帯締め、帯上げをご案内していきますね。この小物だけを変えると、今着てもおかしくない振袖姿になりますから、大丈夫ですよ。」

(母)「まさか私が20年以上前に上前に着ていた振袖が、2代にわたって着れるとは思っていなかったわ。うれしいわね。」

(祖母)「実はね、たちばなやさん、帯はね、ほら数年前にお宅から買ったのがあるでしょ?訪問着に合わせて買ったもの。あれがもしかしたら使えるかもと思うのよね。」

「なるほど、いいかもしれませんね。それを見てみましょう」

そういって、私が数年前にお見立てした帯が再び、目の前に現れるのでした。

振袖に合わせてみると、みんなで

「あら〜ぴったりじゃない〜」

その声で、お嬢様の振袖姿の重要な役割になることが決定いたしました。

帯締め、帯上げの小物を合わせてみると、振袖の全体像が見えてきました。
水色の帯締めは、朱系の振袖と金の袋帯にきれいにはえて、装いのアクセントになっています。
これまでになかった、黄色系の帯上げは、伊達衿にも黄色みをもってきて統一感を持たせました。

さらによかったのは、お持ちの刺繍の半衿が帯揚げと同じ色の水色を見つけたのです。
もうこれでお嬢様にあう振袖姿のコーディネートはほぼ完成です。

こうして、C様のご家族様は、思い出の成人式を迎えることができました。
どんな振袖姿になったかは、このホームページの作成例にあります。

お母様からは、しばらくして私宛てにメールが届きました。そこには、

「20年前に着た私の振袖が、こんなに蘇るなんて思っていませんでした。たちばなやさんに頼んで本当に感謝しています。」

と書いてありました。

おばあさんの袋帯がこんなに見事に素敵な振袖姿になり、わたしも驚きましたが、着物はコーディネートでこんなに着物が蘇るとは、思いませんでした。

C様おめでとうございます。


ご来店予約・お問い合わせ